第二十七章 最強兵士

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「ちょっと待ってろ! テイヤー!」 圭一は何を思ったか、突然手頃な部屋の扉に両手を当てると、力付くでそれを引っ張り出した。 バコンッ! 敢えなくレールから外れる鉄扉。3人が余裕で身を隠せる即席盾の出来上がりだ。 圭一の人並み外れたパワーについては、今更言うまでも無い。 平常時であれば、鉄扉をレールから外して持ち上げる事くらい朝メシ前と言えよう。 しかし彼の思考は今、この緊迫した状況下において、瞬時に鉄扉と盾の関連性を見出だした。 それは彼の成長の現れであり、猪武者から文武両道へのランクアップを認めざるを得なかった。 なかなかやるじゃん! エマはそんな圭一が、この上も無く頼もしく思えた瞬間だった。 ピシッ、ピシッ ピシッ、ピシッ 鉄扉に弾き返される銃弾。 3人は無駄弾を射る事なく、ジリジリと武器弾薬庫へと着実に近付いて行った。 するとなぜだか、敵の銃声が急に止まる。 はて? 訝し気な表情を浮かべながら、ポールが『鉄の盾』からちょこんと顔を出してみる。 すると、 「ヤバいッス! バズーカ砲デス!」 「「なんだって!」」 「取り敢えずは、そこの部屋へ避難!」 何の部屋だかは解らないが、鉄の扉でバズーカ攻撃を防げる訳も無い。 エマを先頭に、3人は慌てて部屋へとなだれ込んだ。 すると、 ドカーン! 激しい迫撃音が鳴り響いたかと思えば、次の瞬間には、鉄扉がただの鉄グズへと変化を遂げていた。
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