366人が本棚に入れています
本棚に追加
「よし、吹っ飛ばせ!」
「了解!」
おいおいおい......本当に撃っちゃうの?
もしマジックミラーの裏で、このショーを見ている観客が居たとしたら、きっと皆揃って頭を抱えていたに違い無い。
そしてショーは、いよいよクライマックスを向かえようとしていた。
その頃、エマ達はと言うと......
「よし、到着だ」
エマが天井ボードに穴を開けると、その下に広がった景色は、正に武器弾薬庫そのもの。絵に描いたような景観だ。
兵士数百人分の兵器ともなれば、その数は膨大。そんじょそこらの人間が集められるようなレベルでは無い。
兵器密売の黒幕とも言える秋葉秀樹の存在が、身近に感じる瞬間だった。
バタンッ。
エマは軽い身のこなしで床に着地。続いてポールも簡単に着地を成し遂げる。
ところが圭一はと言うと、中々姿を現してこない。
「これは困ったぞ......腰が排気管の継ぎ目に挟まって身動きとれん」
狭い排気管の中で、圭一の眉毛はハの字。進むに進めず、戻るに戻れない状況に陥っていた。
圭一は言わずと知れたムキムキ体質。凡そ狭い所の移動には向かない体型と言えよう。
まるでノミと徒競走をしているかのようなスピードで排気管内を進んでいた。
出口を目の前にして、圭一が思わず途方に暮れたその時だった。
ドッカーン!!!
突如、大爆音と共に激しい振動が巻き起こる!
仕掛け通りのガス爆発だ。
最初のコメントを投稿しよう!