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エマ......お前には目を掛けていたんだけどな。
どうしても私に逆らうつもりか......
是非もない......
龍貴はもの悲しげな表情を浮かべると、ポケットからタバコを取り出し、そして火を点けた。
フウッ......
もう忘れよう......
龍貴が初めてエマと出会ったのは他でも無い。『帝徳ホテル』の駐車場だ。
小雪降る中、エマと繰り広げた一騎討ち。その時の記憶は、龍貴の頭の中に未だ鮮明に残っている。
大門剛助......
その者が龍貴であった事は今更言うまでも無い。
危うい一戦だった......
見た目は圧倒的勝利だったのかも知れないけど......
一瞬反応が遅れていれば、勝負は完全にひっくり返ってた。自分が勝てたのは運が良かっただけ......
エマ......あの時から私はお前を愛していた。
いや、もう忘れよう......そう決めたんだ。
それと、
自分がこんな事言っちゃいけないのは解ってる。
多分、
アマゾネスにエマは倒せない。
なんとなくではあったが......
その時、龍貴は予感していた。
再びエマと雌雄を決する時が来ることを。
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