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ギー、バタンッ。
『朱雀』の手に寄って、今『ヴィレッジ』の重厚な扉は開かれた。
アマゾネス先鋒隊の『朱雀』、そしてエマ達3人。生き残りを掛けたバトルの始まりだ。
「慌てるな。ゆっくり進め」
リーダーの虎子は『仮想の街』の往来を慎重に進んでいく。
どこか懐かしい感じがする......見る人の心を和ませるような景観がそこには存在していた。
八百屋、肉屋、魚屋、文房具屋......そんな店が軒を連ねる往来に人の姿は無い。
荒れ果ててはいなくとも、人が居なければそこはゴーストタウン。映画のセットと言われれば、そのようにも見える。
空に広がるオレンジ色の光は、夕焼けをイメージしているのだろうか。
そんな夕刻設定の街並みを、目を細め、耳を凝らし、肌で気流を感じながら、一歩、一歩先へと進んでいく5人だった。
彼女らの銃口は、常に東西南北四方へと向けられている。突然どこから敵が現れようとも、すぐに追撃出来る盤石な陣形だ。
ザッ、ザザッ......
舗装されていない往来の地面を摺り足で進んでいく。
すると、
ザッ、ザッ、ザッ!
突如10時方向から足音が響いたかと思えば、次の瞬間には、人影がすり抜けていった。
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