365人が本棚に入れています
本棚に追加
『虎子』『獅子美』『鷹奈』の3人は、建物の影から気付かれぬよう目だけを出し、360度隈なく詮索を開始した。
必ずどこからか見ている筈だ!
どこだ?
我々の姿を見失わずに、
監視を続けられる場所......
それはきっと......
高い所に違いない。
高い所......
高い所......
どこだ?
もしかして......
それって......
あっ、あそこか?!
『虎子』は、突然後ろへ振り返る。
目の前に広がった景色......
それは......
小学校だった。
この『仮想の街』の中で唯一の高層建築だ。
高層建築と言っても3階建てに過ぎないが、『大要塞』と言う建物の中に建てられた建物と考えれば、その高さすら異常と言えよう。
「あそこだっ!」
『虎子』は建物の影からある一点に向けて指を指した。
『獅子美』と『鷹奈』は、恐る恐るその指の先に視線を送る。
すると、校舎3階一番東側の教室の窓から、何やらチラチラと光が反射しているではないか。
『あれは双眼鏡のレンズだ。あそこから我々の動きを監視して、2人の影に指示を送っているに違いない。行くぞ! 気付かれないようにな!』
「「了解!」」
最初のコメントを投稿しよう!