第二十七章 最強兵士

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『虎子』『獅子美』『鷹奈』の3人は、建物の影から気付かれぬよう目だけを出し、360度隈なく詮索を開始した。 必ずどこからか見ている筈だ! どこだ? 我々の姿を見失わずに、 監視を続けられる場所...... それはきっと...... 高い所に違いない。 高い所...... 高い所...... どこだ? もしかして...... それって...... あっ、あそこか?! 『虎子』は、突然後ろへ振り返る。 目の前に広がった景色...... それは...... 小学校だった。 この『仮想の街』の中で唯一の高層建築だ。 高層建築と言っても3階建てに過ぎないが、『大要塞』と言う建物の中に建てられた建物と考えれば、その高さすら異常と言えよう。 「あそこだっ!」 『虎子』は建物の影からある一点に向けて指を指した。 『獅子美』と『鷹奈』は、恐る恐るその指の先に視線を送る。 すると、校舎3階一番東側の教室の窓から、何やらチラチラと光が反射しているではないか。 『あれは双眼鏡のレンズだ。あそこから我々の動きを監視して、2人の影に指示を送っているに違いない。行くぞ! 気付かれないようにな!』 「「了解!」」
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