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ゴーン、ゴーン、ゴーン
小学校のエントランスに設置された柱時計は、15時の時報を響き渡らせる。
あと2時間か......
モタモタしてられんぞ......
エマは双眼鏡を四方に向けながら、必死に『朱雀』3人の姿を追った。
一方その頃、
エマが探す『虎子』達はと言うと......
「よしっ、気付かれずに校舎に入れたようだ」
往来を大きく迂回し、小学校の裏口から校舎への潜入を果たしていた。
揃って『してやったり!』
そんな表情を浮かべている。
カー、カー、カー
カー、カー、カー
夕焼けをバックに何羽かのカラスが『仮想の街』の空間を縦列飛行している。
どうやら本物のカラスが住み着いているようだ。
意図的に放し飼いにされているのか?
たまたま入り込んで住み着いてしまったのか?
正直、それは解らない。もし意図的に行っているのであれば、それはかなりの懲りようだ。
「お前達は3階の一番東側の教室に向かえ。そこに潜入者の一人が居る筈だ。気付かれないようにな。逃げられたら終わりだぞ」
「「了解です」」
『獅子美』と『鷹奈』の二人は勇躍して階段を駆け上がって行く。
しかし頭の『虎子』は、今回も最前線には向かわず、後方に陣を置いた。
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