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「ちょっと仕掛けを作っておいた。お前の力を借りる程の事も無いよ」
「さすがエマさん、それじゃあご武運を」
「早く行け」
「へい」
さてと.......
それじゃあ、あたしもそろそろ『ヴィレッジ』を出るとしますか......
エマは一人言のようにそう呟くと、何やらスイッチらしきものを押した。それが先程圭一に話した『仕掛け』なのかどうかは解らないが。
すると、
ピンポンパンポーン.......
突如、全校舎内にチャイムが鳴り響く。
「校内放送です......そろそろ下校の時間がやって参りました。
よい子のみなさんは、寄り道などせずに、まっすぐ家に帰りましょう。
早く帰らないと、他のお友達みたにバラバラにされちゃうよ。ピンポンパンポーン.......」
その声は明らかにエマの声だった。
「ちっきしょう......バカにしやがって! あたしを誰だと思ってるんだ。あたしは誇り高き『朱雀』の頭、虎子だ。これ以上の侮辱は許さん!」
常に冷静を通すエマ。
それに対し、虎子は怒りに我を忘れていた。
この時点ですでに勝負はついていると言わざるを得なかった。
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