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この『ヴィレッジ』の扉を潜るまでは、総勢5人だった『朱雀』も、すでに4人が討ち取られ、今は残すところ自分1人となってしまった。
唇を強く噛み締め、必死に駆けてゆくその先は、他でも無い。放送室だった。
この時、ほんの少しでも虎子に冷静な気持ちが残っていたならば、これが仕上げの罠である事に気付けた事であろう。
たった3発の手榴弾で、全滅の憂き目に遭う事も無かったであろうに......
しかし虎子は、頭より先に足が先行していた。
目の前には『放送室』が!
その扉は、上に何かが挟まっており、僅かながらに開いている。
ちょっと見ればすぐに解るだろう。何が挟まってるかって......
扉に挟まっているもの......
それは、
またしても、
手榴弾だった。
たたっ殺してやる!
虎子は烈火の如く怒り、銃を構えながら、勢いよく『放送室』の扉を開けた。
すると、
コトン、
コロコロ......
手榴弾は床に落ちると、そのまま虎子の足に当たりその動きを止めた。
あ~あ......
やっぱダメだった......
次生まれる時は、普通のギャルしよう......
そして、
ドッカーン!
エマの声が録音されたスマホと共に、虎子の身体は一瞬にして1000ピースのジグゾーパズルへと変貌を遂げた。
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