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「サクラダさんって......あなた達は......」
自分の名を呼ぶ声に反応し、今ようやく覚醒を始めたその女性......
他でも無い。
美緒だった。
「ギエーッ! 化け物!」
その姿が目に入った途端、眼球が飛び出さんばかりの驚きを見せた。
無理も無い。
目を真っ赤にした人間ウェポンが、5人も揃って無防備な自分の周りを取り囲んでいる訳だから。
そのまま失神してもおかしく無いシチュエーションと言えよう。
「「#◎£仝〆!」」
「「◇∞※&£!」」
「マテマテマテマテ!」
美緒の超音波にも近い雄叫び声に、慌てふためく4人と、両手を上げ落ち着かせる素振りを見せるリーダーだった。
跳ね起きてみて、美緒は自分の腹部に包帯が巻かれている事に初めて気付く。
一体、誰が?
まさか......
周りを見渡したところで、この者達以外に人の姿は見えない。答えは明らかだった。
美緒は腹部に巻かれた包帯に手を当てながら、ゆっくりと口を開く。
「あなた達が手当てしてくれたの?」
「「マアナ、マアナ」」
そう答えた『化け物』達。
未だ目は真っ赤に染まっているが、そこに敵意は感じられなかった。
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