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「そう......ありがとう。でも......なんで?」
美緒はここではじめて笑顔を見せる。
確かに不思議な話だ。
見付けた者を手当たり次第に食い尽くす......秋葉大地からそう聞かされていたし、実際暗がりの中で襲い掛かってきたのも事実だ。
するとリーダーが、洞穴の壁に貼られた一枚の紙切れを指さす。
美緒は自然とその紙切れに視線を向けた。
「こ、これは......」
なんと!
そこに貼られていたのは、エマ、美緒、圭一、ポール4人の顔写真だった。
『WANTED!』そのように大きく書かれている。
恐らく『大要塞』に貼られていたお尋ね者ポスターを剥がして持って来たのだろう。
「ワレワレハ......『キョクシントウ』でイキノコッタザンペイ......アノアト、コノダイヨウサイ、ツレテコラレタ......
マットウナミチニ、モドリタカッタ......ダカラ、ダッソウシタ。デモツカマッテ『バケモノ』ニサレタ......
アンタタチ、オレタチのエイユウ。アエテ、ウレシイ......」
気付けは、5人皆、目から大粒の涙を流している。
『真っ当な道に戻りたい』
その言葉に偽りは無いようだ。
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