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よし......ここなら落ち着いて出来そうだ。
美緒はいかにも不慣れな動きで、ズルズルと履いていたものをズリ下ろす。
すると......
ガリッ、
バキッ、
ズバッ、
ボキッ......
何やら、外が騒がしい。
んっ、鳥か?
それとも何かの小動物か?
まさか、あいつら覗き見に来たのか?!
だとしたら、こっぴどく叱ってやる!
さっき真っ当な道に進みたいと言ったばかりじゃないか......
美緒は事が済むと、暗がりから姿を現す。
見渡して見れば、そこには鳥も小動物も、ましてや人間ウェポン達の姿も無い。
おかしいな......
確かに物音が聞こえたんだけど。
美緒は首を傾げながら、テクテクと洞穴へと戻っていく。
程なく洞穴に帰還を遂げると、そこには先程と何ら変わらぬ人間ウェポン達が清々しい顔で黄昏れていた。
よくよく見れば......
5人の口の周りが真っ赤だった。
「お前ら何か食べたのか?」
「チョットオソイランチ......ウマカッタ」
何を食べたのかは知らないが、皆かなりの満足顔だ。まあ、どうでもいい話ではあるが......
彼らが一瞬にして何を食べたのか?
それは今更言うまでも無い。
ずば抜けた嗅覚、聴覚を彼らが有している事を『青龍』の5人は知らなかったのだろう。
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