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そこは『大要塞』の中心部。中心部と言うだけあって、ほぼど真ん中に位置していた。
トゥルルルル......
ガチャ。
極限まで照度を落としたバーカウンターで、一人ワインを嗜む美しき女性は、何やら落ち着かない様子で受話器を受け取った。
「どうした?」
「『青龍』が全滅しました。女は人間ウェポン5人を従えて、北に向かっているとの情報が入ってきています」
「そうか......」
「『白虎』は公務を終えて、もう間もなくこちらに到着します。
『玄武』は未だ音信不通。どこで何をやっているのか皆目見当がつきません。まさか心変わりを......」
「滅多な事を言うものでは無い。アマゾネスは『富士国』に忠誠を誓った誇り高き神軍だ。そんな事は有り得ん」
「しかし......逆賊 柊恵摩が一時『頭』を務めていた事もあり......」
「うるさいっ!」
ガチャ!
一方的に電話を切った美魔神......
それは他でも無い。龍貴だった。
アマゾネスが裏切るだと?!
『富士国』の絆は、そんな柔なものでは無いわ!
龍貴はイライラを紛らわすかのように、タバコに火を灯した。
フー......
そして鼻から煙を吹き出す。
エマ......お前は一体どこまで私を苦しめれば気が済むんだ?
もう間もなくこの日本国は、全く別の国に生まれ変わるんだぞ......
その流れは、もう誰の手にも止められない。解らないのかエマ......
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