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エマと同じ名の恵麻(えま)なる幼さ子......
それが、先日自らの命と引き換えに、エマと『玄武』を救った『黄』の遺子である事は今更言うまでも無い。
愛する母が既に他界している事など知る由も無く、4人の美戦士と共に名湯に浸かり、満面の笑みを浮かべている。
早く言わなければならない......
そんな事は解っていても、未だ切り出す事が出来ない『赤』だった。
「あの時は強がっていた『頭』も、さすがに堪えてるんだな......」
「そりゃそうだよ......本当に『黄』は死ぬ必要があったのか? 私はちょっと疑問に思ってる」
『赤』には聞こえぬよう、影でヒソヒソ話を繰り広げる『緑』と『紫』だった。
『黄』があのような形で自害し、絶大なる信頼を得ていたエマが去ってからと言うものの、何となくではあるが、彼女らの中に釈然としないモヤが立ち込めていた事は事実だ。
その事に関しては、『頭』の『赤』も決して例外では無かった。
度重なる本部からの召集に対して『無』を貫いている事に関しても、決して『青』が言ったように無視している訳では無く、判断を決めかねていると言うのが正直なところだ。
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