第二十八章 『白虎』VS『玄武』

11/47
前へ
/1040ページ
次へ
『赤』は一口カクテルを口に含んだ。 「美味しい......」 「恵麻にも飲ませて!」 すかさず恵麻が飛び付こうとする。 「ごめんね。これはお酒だから恵麻ちゃん飲めないのよ」 「ずるーい!」 またしても膨れる恵麻。実に愛らしい仕草だ。 カシャ、カシャ、カシャ...... すでにバーテンダーは、次なるカクテル製作に没頭中。鮮やかな手捌きだ。 「『頭』また本部から着信が入ってます。如何致しましょうか?」 「まぁ、待て。今思案中だ」 『赤』はカクテルを口に含みながら、実に落ち着いた様子。 それに対し、『青』『緑』『紫』の3戦士は、居ても立ってもいられない......そんな様子だ。 「『頭』......このまま無視を続けていると、反逆罪に問われますよ」 「解ってる......」 勿論『赤』は富士国の忠義な戦士。決してそこに陰りを見せている訳では無かった。 『富士国の独立』 果たしてそこを目指す事が、本当に輝かしき富士国の未来に繋がるのか?  我が故郷『富士国』を愛するが故に、『赤』はそこに疑問を抱かざるを得なかった。
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加