第二十八章 『白虎』VS『玄武』

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バーン! バーン! バーン! 5人の最強戦士が、『塔』に突入した途端、激しい銃弾の嵐が巻き起こる。 鼻につく火薬の臭いは、撃ち放たれた銃弾の数を物語っていた。 恐らく兵士達は、塔の中で敵襲を待ち受けていたのだろう。 しかし、次の瞬間には、 「うわぁー!」 「止めろっ!」 「来るなっ!」 ムシャ、ムシャ、ムシャ....... ムシャ、ムシャ、ムシャ...... 中に入らなくとも、中の様子が手に取るように解ってしまう。 正にウェポンらの強さは国士無双。呂布顔負けの豪傑と成り得ていた。 あいつら......どれだけ食べれば気が済むんだ? さすがに、呆れた表情を隠しきれない。 その時、美緒はふと考えた...... 彼らがぶち破った扉の穴からは、絶え間なく煌々と明かりが漏れ落ちて来ている。 暗闇に弱点を持つウェポン達にとって、それは正に願ったり叶ったりの環境であり、仮に照明が落とされたとしても、彼らには鋭い聴覚と嗅覚が残されている。 暗闇の中でも銃を発すれば、必ず激しい音が立ち上がり、火薬の臭いが発生する。 即座にウェポン達は、カウンター攻撃に討って出る事であろう。 もはや、ウェポン達に死角は無く、『もも』救出はいとも容易く成し遂げられる...... 状況から判断して、その事に疑う余地は無かった。 でも...... 本当に、そんな簡単にいちゃうの? 敵だって、ウェポン達を造り出した訳だから、誰か何かを考えてもいいんじゃない? さっきから私達にやられっ放しなんだけど...... 『大要塞』ってそんなにもろいのかしら? 逆に妙な胸騒ぎが止まらない美緒だった。
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