第二十八章 『白虎』VS『玄武』

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「さぁ、次だ次! とっとと上へ行け!」 5人の尻を叩く美緒。 叩かれて慌てる5人。 「イクイクイク、イマイク」 ダッ、ダッ、ダッ...... ダッ、ダッ、ダッ...... 5人は今走り出したかと思えば、次の瞬間には美緒の視界から消えていた。 とにかく早い。 瞬間移動に近いレベルだ。 おっと、 置いてかれる...... 額に汗を浮かべ、慌てて階段を駆け上がる美緒。 やがて5人に遅ればせながら2階へと到達する。 すると、目の前には大きな観音開きの扉が。見るからに頑丈そうだ。 「ハイル、ハイラナイ、ハイル、ハイラナイ?」 いつもの人間ウェポン達であれば、美緒の指示を仰ぐまでも無く、とっとと突入していたに違いない。 でもなぜか、入らずに外で待っていた。 もしかしたら......野性的直感とでも言うのだろうか。この扉の中に潜む並々ならぬ殺気みたいなものを、すでに彼らは肌で感じ取っていたのかも知れない。 しかし美緒はそんな彼らの様子に、敏に反応する事は無かった。 「入るに決まってるだろ。早くしろ。突入だ!」 勢いに任せて一気にたたみ掛けてやる! そんな強い気持ちが、美緒の顔にありありと浮かび上がっていた。
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