第二十八章 『白虎』VS『玄武』

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美緒は女に言われるがまま、銃を投げ捨てた。 暗闇の中、赤外線スコープを掛けていたとは言え、たった5本の矢で5人のウェポン達を見事射抜いた強者だ。 美緒が引き金に力を入れようとした途端、瞬く間にその行動は読まれてしまうだろう。 ももちゃんの命に、博打を仕掛ける事は出来ない...... 美緒は、この女の言う事に従う...... それしか方法は見付からなかった。 ガシャ、カタカタ...... 無情にも、銃は音を立てながら床に転がり落ちた。 「素直で宜しい」 すると女は、ももを抱き抱えたまま、上方の手摺から飛び降りて来た。 ももちゃん...... 今すぐにでも抱きしめたい...... 久々に見るその顔は、恐怖に怯えきっていた。 無理もない。女がしっかりと手に持った鋭い矢は、未だももの首筋に当てられている。 見ればその矢はシルバーに輝いていた。恐らく銀で出来ているのだろう。全く贅沢な話だ。 この強靭なウェポン達の身体を、一撃で射抜いた理由も解る。 フウッ...... 女は一度大きくため息をつくと、やがて口を開いた。 「あんたエマの仲間か?」 「エマさんを知ってるのか?」 「まぁな......そんな事はどうでもいい。ところで、この大要塞にお前達は何しに来たんだ?」 「破壊とその子の救出だ」 「お前、この子の母親か?」 「......そうだ」 「助けたいか?」 「当たり前だ」 「そうか......」
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