第二十八章 『白虎』VS『玄武』

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結局頼れるものはこれか...... 「どうするんだ? 答えるのか? それともバイバイなのか?」 女は手に握った矢を、いよいよももの首に押し当て力を込める。それが脅しでない事は明らかだ。 アマゾネスの頂点、龍貴......その者がそれである事は今更言うまでも無い。 「ももちゃん...... あなたは強い子。強い子だから......ちょっとやそっとの刺激じゃ、あなたの心臓は止まらないわよね?」 美緒はうつ向きながらそんな事を呟く。 「お前、何言ってるんだ?」 極度の緊張に、とうとう気でもふれたか? そんな疑いが持たれてもおかしく無い程に、その解答は見事に的を外していた。勿論、龍貴からしてみればの話ではあるが...... 「じゃあももちゃん、いくわよ。ビックリしないでね。せえーの......はいっ!」 美緒はポケットにしまっていた改造スタンガンを取り出すと、一気に足元の水溜まりにその先端を押し当てた。勿論マックス設定だ。 そして、 カチッ。 バチバチバチッ! 突如、無数の稲妻が美緒の足元で発生する。 そこからスタートを切った目に見えぬ凶器は、 水溜まり、 ウェポンの湿った身体、 銀の矢、 手摺を経由し、 龍貴、更にはももの身体へと、一気に襲い掛かっていった。 その間、僅か1秒。 さすがの龍貴も、予期せぬ反撃だったと言えよう。
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