おやすミ

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§  近年、夏の夜でもセミが騒がしく鳴いていることがある。街灯が増えて昼だと勘違いしているのだ。  夜、七歳の娘を根付かせようとしていると外から蝉の声が忙しなく聞こえる。  それを聞いて娘の媛華が言った。 「ねぇママァ。ミンミンゼミって喋りながら寝るんだよ~?」 「ん?」 「眠眠~、眠眠~」 「あぁ、」  言葉遊びか。面白いこと考えるなぁ。  媛華が軽快な声でセミの鳴き真似をする。ちょっとツボにはまった。 「私もだから喋りながら寝るよ。眠眠~、眠眠~、おやすミンミンゼミ~おやすミンミンゼミ~」  う、うるせぇ。  そうしてすぐに間接照明を消した。
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