変わらない道標

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小腹を満たすパンや飲み物を購入し、三人で近くの公園で食べる、のが最近の日課。 俺、亮介、海斗の順でベンチに座り、各自買った物を袋から取り出した。 不気味な紫色のパッケージには、今日も威風堂々と書かれた"果汁100%"の黄色い文字。 ストローを突き刺し、鼻呼吸をやめて。 ズズズー… 胃に流し込み、しばし息を止める。 そして身体が酸素を欲し始め、諦めて口を開けた同時に、口内に広がる独特の甘く渋い味。 …まっず。 「くくっ、何度見てもおもれーわ、その顔」 「黙れ」 小4からほぼ毎日飲んでいるけど、一向に好きになる兆しが見えてこない。 毎回息を止めてまで、飲み続ける理由。 『こら、好き嫌いしないの』 『ええ…でもぶどうジュース無理なんだもん』 『そんなんじゃ稼げる大人にはなりませんよ』 『えっ…』 『お父さんもお兄ちゃんも、どんな事に対してもすぐに無理とか言わないでしょ?どんなに嫌なことでも、我慢して頑張って乗り越えるの。それが成長なんだから。しずちゃん、喜ばせてあげたいでしょ?』 『…頑張る』 でもちっとも成長してない。 むしろ、後退してるとさえ思う。
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