長女①

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 今日は休日。  コンビニでコーヒーを買って家に帰ると、玄関のドアを開けた途端にドタドタと足音が聞こえる。 「お帰り、パパ! 遊ぼ、遊ぼ!」 「元気だな、レナ。ママとミクはどうした?」 「お昼寝しちゃったよ」  寝室を覗くと、妻とミクは気持ち良さそうに寝息を立てている。 「レナも一緒に寝ないか?」 「私はお姉ちゃんだから、お昼寝しないよ。ねえ、遊ぼうよ! それか何処かに連れてって!」  私もゴロゴロしたいが、レナだけを放っておくのは可哀想だと感じた。 「そうか。じゃあ……ママたちの邪魔にならない様に、お外に行こうか。何処へ行きたい?」  レナは所詮4歳児。何処へ行きたいと聞けば、答えるのはコンビニ、スーパー、公園の3種類くらいだ。  その3つなら、どれを言われても特に問題は無い。 「うーんとね……じゃあね……コンビニとスーパーと公園に行きたいっ!」  ……まさかのトリプルだ。 「スーパーは止めておこう。近くの公園の前にコンビニがあるから、その2つでどうだ?」 「もう、しょうがないパパだな。今回はそれで許してあげるよっ」 「……ありがとう」  何故か上から目線で許され、そのままコンビニへと向かった。  コンビニに入ったレナは、レジの横にある中華まんの入ったケースをじっと見つめる。 「パパ、あれ食べたい」 「お腹空いたのか? 何が食べたいんだ?」 「うーんとね……にくあんぱん!」  気持ち悪いパンが登場した。 「肉まんだな。でも、もうすぐ夕飯だから……ママに内緒に出来るか?」 「うん!」  仕方なく肉まんを購入して公園で食べ、暫く遊んでから家路に着いた。  ――夕飯の時間。  あまりご飯を食べないレナを見て、妻が不思議そうに問い掛ける。 「どうしたの? 調子悪いの?」 「肉まん食べたから、お腹いっぱいなんだよ」  あっさりバレた。 「パパに買って貰ったの?」 「違うよ、内緒だからね。うーんと……レナが買ったの!」  どんどん泥沼化して行く。  そして食事が終わると同時に説教タイム。  こうして私とレナは力尽きた。
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