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今日は休日。
コンビニでコーヒーを買って家に帰ると、玄関のドアを開けた途端にドタドタと足音が聞こえる。
「お帰り、パパ! 遊ぼ、遊ぼ!」
「元気だな、レナ。ママとミクはどうした?」
「お昼寝しちゃったよ」
寝室を覗くと、妻とミクは気持ち良さそうに寝息を立てている。
「レナも一緒に寝ないか?」
「私はお姉ちゃんだから、お昼寝しないよ。ねえ、遊ぼうよ! それか何処かに連れてって!」
私もゴロゴロしたいが、レナだけを放っておくのは可哀想だと感じた。
「そうか。じゃあ……ママたちの邪魔にならない様に、お外に行こうか。何処へ行きたい?」
レナは所詮4歳児。何処へ行きたいと聞けば、答えるのはコンビニ、スーパー、公園の3種類くらいだ。
その3つなら、どれを言われても特に問題は無い。
「うーんとね……じゃあね……コンビニとスーパーと公園に行きたいっ!」
……まさかのトリプルだ。
「スーパーは止めておこう。近くの公園の前にコンビニがあるから、その2つでどうだ?」
「もう、しょうがないパパだな。今回はそれで許してあげるよっ」
「……ありがとう」
何故か上から目線で許され、そのままコンビニへと向かった。
コンビニに入ったレナは、レジの横にある中華まんの入ったケースをじっと見つめる。
「パパ、あれ食べたい」
「お腹空いたのか? 何が食べたいんだ?」
「うーんとね……にくあんぱん!」
気持ち悪いパンが登場した。
「肉まんだな。でも、もうすぐ夕飯だから……ママに内緒に出来るか?」
「うん!」
仕方なく肉まんを購入して公園で食べ、暫く遊んでから家路に着いた。
――夕飯の時間。
あまりご飯を食べないレナを見て、妻が不思議そうに問い掛ける。
「どうしたの? 調子悪いの?」
「肉まん食べたから、お腹いっぱいなんだよ」
あっさりバレた。
「パパに買って貰ったの?」
「違うよ、内緒だからね。うーんと……レナが買ったの!」
どんどん泥沼化して行く。
そして食事が終わると同時に説教タイム。
こうして私とレナは力尽きた。
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