12人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕の大切な人を守ってくれた戦士だから」
旦那は、そう言って私の気持ちを大切にしてくれた。
私の恋心は、戦死したあなたに未だにとらわれているというのに……。
ただ、その旦那の気持ちが嬉しくて私はときどき、あなたにおやすみと言ったときに涙が溢れた。
あなたが生きていたら恋敵なのにね。
旦那と私と回りから、おしどり夫婦と呼ばれるくらいに幸せに過ごして、子供にも恵まれた。
男の子と女の子。
裕福では、なかったけど幸せだ。
子供たちもあなたの写真に私と一緒に語りかけてくる。
あなたは、天国にいるというのにまるで家族であるかのように語りかける。
「お母さんの大切な人だもんね」
最初のコメントを投稿しよう!