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「うむ。…いやしかし、驚いた、驚いたぞ!井上君に、フランスの書籍の一部の翻訳を頼んだところ、普通の官僚なら数時間で終わるレベルのところを、丸一週間かかり、あげく、文法ミスに単語ミス、最初から最後までミスの連発で、最終的には私が翻訳し直したからな!それ以降、井上君の仕事は、1番、窓際の椅子に座って、役に立ちそうな新聞記事を切り抜いてスクラップにするという…まあ、アレだな!小学生並みの仕事しか、彼には任せられなくなったからな!…尾崎君、きみ、語学は不得手だが、正直、きみの方が、何倍も使いではあるぞ!」
「はあ…誠にありがとうございます。」
尾崎は脱力しきった声で、礼を言う。
「我々は今、ちょうど、フランス語の日常会話をもう一度、勉強し直しているんだが、尾崎君もどうだね?」
「いえっ…いえ、私にはとても、ついて行くことができませんので…。」
名村が主催した勉強会のこと、その内容のレベルが相当、高いことは、容易に想像できる。
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