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「そう、寝るときにパパとママが、俺におやすみって言う。今日もよく頑張ったね、偉いねって。俺も2人におやすみって言う。2人ともお仕事お疲れ様、頑張ったねって。」
「じゃあ、青い日と赤い日は?褒める日?」
青い日は土曜日、赤い日は日曜日のこと。どちらもおやすみの日だよと、お母さんから聞いていたから、相手を褒める日だと私は思った。
「んー、頑張ったご褒美かな?でもその日もお仕事頑張ってる人がいるから、褒めるって意味じゃなくて、体を休めるって意味のほうだね。」
「なんかむずかしいね。」
「そうだね、だから俺は、寝るときに使う"挨拶"じゃなくて、寝るときに使う"褒め言葉"って覚えることにしたんだ。」
「おー!なんかかっこいい!!」
私は興奮して、ピョンピョンとウサギのように、その場で跳んだ。
「だろ?……あ、そろそろ暗くなってきたから、今日はもう帰ろうか。」
佐久君の言葉に、私はうん、と頷き、2人で家に帰った。
その日の夜、いつもはお母さんたちからおやすみと言われるが、今回は私が先に言ってみた。今日もお疲れ様、という思いをこめて。
2人から笑顔でおやすみと返ってきたことに満足し、布団に入った。
(あれ?おやすみが寝るときに使う褒め言葉なら、寝るときに使う挨拶ってなんだろう。)
ふと、頭にそんな疑問が浮かんだが、すぐに眠気がきて寝てしまった。
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