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ウーリヤはその身体に、バトシェバの脳みそを入れた。
しばらくして目覚めたバトシェバは、元どおりになった自分の身体を見ると、涙を流しながらウーリヤの頬を叩き、震える脚でダヴィデの元へ走った。
「きっと大丈夫よ、なんとかなるわ。あの金属の身体の中に、私が入ればいいのだもの」
ダヴィデの屋敷に辿り着き、門を叩いたが誰も出てこない。
仕方なく塀を乗り越えて、石造りの窓から中を覗くと、
楽しげに微笑むダヴィデの隣に、あの金髪の使用人が仲よく並んで座っている。
二人は口付けを交わし、互いの服に手をかけて剥がし始めた。
「こんなのおかしいわ! あのひとの隣にいるはずの私はどこ? ダヴィデの望んだ私は?」
炊事場を見れば、二人の食べ散らかした皿を無言で片付けている金属の女がいる。
その時、ベッドの上で、ダヴィデが言った。
「歌え、バトシェバ」
「もちろん、愛するあなたの為に歌うわ」
ダヴィデの言葉に従い、金属の女は美しい声で歌いながら皿を洗い始めた。
甘い嬌声が響く室内から目を背け、バトシェバは痛む胸を押さえて森へ向かった。
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