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ダヴィデと出会った湖のほとりで、バトシェバが湖面に映る自分の姿を眺めながら泣いていると、夕暮れとともに、ウーリヤが毛布を持ってやって来た。
「寒いだろう、これを使いなよ」
「来てくれたの、ウーリヤ」
バトシェバは泣き腫らした顔を隠して呟いた。
「私、こんなにも馬鹿な自分が嫌なの」
「そういう気持ちになるときもあるよ」
「もうわからないわ。一体どこを、どんなふうに変えたらいいの?」
「無理に変えなくても、僕は、きみのお馬鹿さんなところも、困ったときに僕を頼ってくるところも、すごく好きだよ」
ウーリヤはバトシェバに毛布を被せ、その肩を抱いた。
「今度は、僕の理想を聞いてくれるかい」
バトシェバは頷き、その内容を聞いた。
そして、
「そんなことでいいの?」
と言って微笑んだ。
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