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次に目を開けて鏡を見ると、そこには二重で目が大きく、鼻が高い。胸もくびれもあるきれいな女の子が立っていた。
「これが…、私…!」
「よかったね、咲夜ちゃん!咲夜ちゃんはもともと顔の骨格はきれいだし、少し直せばすっごくきれいになったね!」
「ありがとう!ルクレイ!私、伊藤くんのところへ行ってくるわ!」
「あっ!咲夜ちゃん!」
そうして、私は保健室を飛び出した。
「あっ、城崎さん!」
途中保健の先生に声をかけられたが止まることなく私は伊藤くんの元へ走った。
そして、今は放課後だということに気がついた。
なるほど、どうりで人がいないはずだ。
もしかしたら、伊藤くんはもう帰ったかも…。
…、あっ!あの癖っ毛は!
教室に行こうと通りかかった生徒用玄関に伊藤くんがいた。
「あっ!あの!伊藤くん!」
何を話そうか決めていないけれども伊藤くんに声をかけた。
いつもはできないことなのに。
今なら、全てが変わった今なら何でもできる気がした。
「あっ、城崎さん。体調は大丈夫?」
「あっ、うっ!うん!大丈夫!ありがとう!」
「僕はもう帰るけれど、城崎さんはどうする?体調が悪いなら送ろうか?」
「えっ!ほ、本当に!?おっ、送ってほしい!待ってて!今すぐ鞄、取ってくるから!」
私は全力で教室に戻り鞄を手にし
伊藤くんの待つ生徒用玄関まで走った。
「おっ、おまたせ!」
「大丈夫だよ。城崎さん、さっき倒れたんだから走らない方がいいよ。身体を大切にしてね。」
「あっ、し、心配してくれてありがとう!」
「いえいえ。さあ、行こうか。」
私たちは並んで歩き出した。
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