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いつものように美しくなりたいと願っていた時、私の目の端で何かが動いた。
驚いて見てみると、真っ赤なワンピースを着た男の子がいた。
それも親指くらいの大きさの。
驚いて声を出せずにいると、その男の子は話し出した。
「えっと、僕が見えるよね?
初めまして!僕は妖精のルクレイ!君の願いを叶えに来たんだ!」
親指くらいの妖精はルクレイと名乗り私の肩に飛び乗った。
「君は城崎 咲夜ちゃんだね?僕は君を幸せにするためにやって来たんだ!
さあ、叶えてほしいことをなんでも言って!五つ叶えてあげるよ!」
「なんっ、でも?」
「そう!なんでも!さあ、幸せになろうよ!」
ルクレイは私の肩の上でくるくる回る。
「本当に何でも叶うの?」
「もちろん!あっ、でも“願を無限にする”みたいな願いは無理だよ!」
「なら、かわいくなりたい!」
「咲夜ちゃん、それじゃあわかんないよ。
具体的に、どうしたいかを教えて?」
「じゃあ…、私の目を二重にして!」
「そんなことでいいの?」
「そんなこと?…そんなことって何よ!
私にとっては重大なことなのよ!
まずは、この!一重の目を二重にしてちょうだい!」
「わかったよ。」
ルクレイはそう答えると私の頭の上を回り始めた。
そして、急激に眠くなった。
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