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「お父さん、地球で一番美味しいものは何?」
「難しいな」
父は腕組みして考える。
「僕は牛肉だと思う」
「いつか食べたステーキは上等だったな」
「いっぺんに牛肉が好きになっちゃった」
広大な放牧地でのびのび肥育された肉牛は正しく一級品だった。
「海の幸だって負けてないぞ」
魚などの海産物は煮てよし焼いてよし、生で食べても素晴らしい。
「野菜に果物はどうだ?」
「果物は好きだけど、野菜って苦いんだもん」
「新鮮な野菜はみずみずしくて体にだっていいんだぞ」
旬の野菜や果物は栄養も高く、色とりどりの食材は視覚にも楽しめる。
「地球には美味しいものがたくさんあるな。とてもひとつに決められない」
「僕、一番美味しいものがわかったよ」
頭をひねる父の横で息子が微笑んだ。
「地球の美味しいものを毎日食べている地球人が一番美味しいはずだよ」
「なるほど」
父は目を輝かせ宇宙船を出発させる。
「今度は地球人を捕まえて食べてみよう」
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