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彼は、ゲームの世界の僕の体に転生後、本当に自由に生きていた。
聞けば小学校と中学校時代は空手と野球に明け暮れたみたい。
でも好きな人がとても勉強ができたからって、自分も頑張って地元の名門校に入学したらしい。
結局その好きな人は彼よりももっと偏差値の高い高校に行ってしまったことで、勉強を放り投げてしまったらしいけど。
それでもタダでは転ばない彼、今度は名門校のナヨナヨとした男子生徒達になじめない中で、また女子の何割かに、少数派のスポーツマンがとても人気だという風潮を見抜いて、
「漢はやっぱり腕っ節だろう!!」
と勝手に確信。地元の総合格闘技塾に通うこともあったようだった。
それで、結構その高校での女子からの人気もあったようだけど、楽しい事は長くは続かない。 その後、一つの事件が起こってしまったみたい。
学内の女子生徒が街で不良に絡まれている所を助けたら、乱闘に発展してしまって高校は退学、次は普通レベルの高校に転校する事になってしまった。
おかしいよね? 退学の理由を作ったのはヤンキーだったのに、なぜか彼は新しい学校でヤンキーになった。
あと、許せないのはその時に助けた女子と…その、女子と…
ゴ、ゴホン! 一応ケジメはつけるって言った彼は、猛勉強の末に、なかなか偏差値の大学に入学した様だった。
あぁ! 笑って彼が話す昔の話はここで一番イライラしてしまう。
大学時代、それは彼の自由さの全盛期。
テニスサークル、飲み(合コン)サークル、音楽サークル、インカレ(近隣大学との共同運営)バスケサークルと、僕が聞いたらちょっと気が引けてしまうような軽いノリが売りのサークルを掛け持ちしていたらしい。
腕っ節は強いし、ヤンキーの時の押しの強さもあったし、優良大学に入るレベルの知識もあったし、かなりモテたらしい。普通大学4年間で11人と付き合うなんてありえないよ!?
ただ、卒業してからは…下落の一途だった。
我が強すぎて就職活動は出来ない。だから卒業後はネット転売とバイトを繰り返して食べていたみたい。
そのバイトが原因で死んでしまうなんて、何とも自由に生きて、自由に選択して、死んでいったんだなぁと思う。
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