第1章

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「――3年生なんですね」 「ええ」 「あの、突然で悪いんですが、――放課後、屋上に来てくれませんか」 ボクは自分の発言に半ば驚いていた。 だけど、話を聞くことで、ここ最近の胸のモヤモヤは晴れると思った。 彼女は目をぱちくりした後、とまどいつつも「ええ、いいわよ」と、頷いてくれた。 そして僕は、一礼して彼女が去りゆく姿を、いつまでも見ていた。 隣りで騒ぐ、井野には気づかずに。 ――パチ☆ 「痛てっ」 不意に、頬に痛みが走った。   ボクは反射的に頬に手をあてがった。 「なにボケっとしてんのよ」 気がつくと、笹口がいた。 彼女がボクの頬を打ったようだ。 「こいつ、変なんだよ」 と、井野が笹口に言う。
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