神々しい人

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「さっきはあんな態度をとってしまって、悪かったね」 晶はそう言いながら、チラリと真琴へ視線をよこす。しかし、それに合わせられない真琴は、とっさに顔を背けた。 「いえ、気にしていませんから」 緊張のあまり、口早に気持ちのこもらない返答しかできない。 ――ああ…、また…!私の悪い癖が……!! 古庄の家族に失礼な態度はとれないと思った真琴は、どうにかしようと思うけれども、自分では制御不能だった。 車内に沈黙が漂うと、真琴の緊張はいっそう高まって、固唾をのんで到着するまでの10分ちょっとをやり過ごすしかなかった。
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