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市街地を抜けた列車が、海岸線に沿って走り始めた。
穏やかな海は、まぶしい秋の日射しを受けて、キラキラと輝いている――。
真琴は思わず窓を開けて、青い海のまぶしい光と海を渡った爽やかな風を、列車の中へと迎え入れた。
規則的な列車の音が響く中、しばらく目の前の絶景に見入ってしまう。
何度か見たことのある景色なのに、こんなにも心に響くのは、真琴が今から、自分でも思ってもみないような行動を起こそうとしているからだろう。
絶景に心が洗われるのと同時に、綺麗なものから力をもらい、真琴はその心を奮い立たせた。
真琴は今、冒険に出かけている。
その冒険の向かう先は、古庄の実家だ――。
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