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「おい!いつまで寝てるんだ?朝飯食べるんだったら、さっさと起きろ!」
朝の幸せな微睡を破って、いきなり布団を剥がされて、古庄は飛び起きる。
そんな驚いた弟の顔を、晶はニヤリと笑って見下ろした。
――…このやろ…。いつまでこの家に居座ってんだよ。早く嫁に行けよ……!
古庄はそう思いながら、サディスティックな姉を睨みつけたが、心の内はとても、口に出しては言えなかった。
それに、古庄家が持つ広大な農地と山林との管理を、実質的に行っているのは、この晶だ。
古庄は教師になってしまったこともあり、この実家に戻ってくるのは難しい。現実を考えると、この晶にこの家を出て行ってもらっては困ってしまうのだ。
――だいたい、こんな見るからに男みたいな女、誰も嫁にはしてくれないか……。
そう思うと、晶には晶のコンプレックスのようなものもあるのかもしれない…。
古庄は息を吐いて立ち上がり、布団を片付け始める。
そんな古庄を横目で見ていた晶が、自分の欲求を押さえられずに口を開いた。
「昨日はあれから…?焼肉小屋にでも行ったのか?でもあそこは、中に入ると焼肉の匂いが染みついてるし、ウッドデッキじゃ寒すぎてできなかっただろう?」
「……何が?」
布団を畳み終えた古庄が、怪訝そうに晶へと視線を返した。
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