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実の息子や弟を、そう簡単に“ホモ”にしてしまうなんて、どういう家族たちだろうと、古庄は憤りを隠せない。
不機嫌になっていく古庄の声に、父親が決まり悪そうに肩をすくめる。
しかし、真琴は心に引っかかっていたものが取れて、安心したように息を抜いた。
「ああ、それで。最初にお会いしたときの『舌打ち』は、そういうことだったんですね!」
晶が父親と顔を見合わせて、申し訳なさそうに声を上げた。
「あれは、悪かったと思ってる。つい、この賭けのことが頭を過ってしまって…」
「そうそう、でも、こんなに可愛いお嫁さんを連れてきてくれて。真琴ちゃんのことは大好きだからね!」
と、真琴に嫌われたくない父親が、真琴の手を取って一生懸命言い繕った。
「ええい!気安く触るなよ!」
古庄が父親の手を払って、真琴を自分の方に引き寄せる。
「真琴は、俺の大事な嫁さんなんだからな!!」
真琴を腕の中に囲い込んで、古庄は家族に向かって宣言した。
両親と晶は、その言動の意図が分からず、ポカンと口を開ける。
「もちろん、それは解ってるよ。だから、私たちも真琴ちゃんを大事にしてるんじゃないか」
晶がそう言うのに対して、古庄は心の中で異を唱えた。
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