第一章

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海斗の懲役が決まったと言う連絡を受け私は 刑務所に向かった。 なんであんなことをしたのか聞くために。 だけど私の面会に海斗は現れなかった。 私はそれ以降海斗と話をする機会すらなかった。 それから何日たったのか、それとも何週間たった のか分からない。空白の生活を過ごす私の元に 一通の手紙が届く。宛先は海斗。 結花へ きっと俺はお前を不幸にしてしまったと思う。 でもそれは自業自得だって分かってる。 俺は刑務所で自分のしてしまった事を償おうと 頑張ってる。 時間はかかるけどそれでも誠心誠意を込めて 頑張ろうと思う。 だから結花も頑張って欲しい。 お前の未来は俺と違ってまだ汚れてないから。 だから俺が刑務所から出るときが来たとき、 その時はお前に幸せになっていて欲しい。 俺はお前の幸せそうな顔を見るためなら頑張れる から。 槇原海斗 .............................. ......................... .................. .......... .... 「...バカ...海斗のバカ野郎」 私は泣いていた。 海斗が居なくなった後私の世界から色がなくなっ てしまった。 料理もしなくなった。誰とも話さなかった。 友人から幾度も連絡がくるけど返信しなかった。 仕事も休んでしまった。 ニュースを見ると先日起きた殺人事件の犯人が 自首をし、全て白状したと言う。 私から全てが無くなってしまった。 ....と思っていたのは自分だけだった。 私より辛い状況なのに君は優しいだね。 「...私も頑張らなきゃ」 自分の為にも...君の為にも。 やっと目が覚めたよ おはよう海斗。 ありがとうね。
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