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……隠し通すって決意したのに。
あたしはあの体育館履きが忘れられず、体育のマラソン(女子は2㎞)を馬車馬のようにフルスロットルで走り倒し……時間を作って下駄箱に来てしまった。
今は男子も走っている頃だから(男子は20㎞)、ここには蒼汰くんの上履きがあるはず。
だって体育館履きでさえ、あの逸品なのだから本命の上履きはさぞや……!
(大丈夫……こんな事するのは今日だけ。そんなにしょっちゅう下駄箱に入り浸ってたら、いつかは見つかっちゃうかもしれないもん……)
ササッと、あたしは忍者のように下駄箱から下駄箱へと素早く移動し、目的の男子下駄箱に辿り着いた。
案の定、蒼汰くんの上履きは無防備にそこに在る。
(時間もないわ、一気にクンクンして立ち去る! 余韻は校庭に戻ってから噛みしめれば……)
腹をくくると大胆になるのか、あたしは目的の上履きをサッと掴んでその場にしゃがみ込んだ。すると。
(ん? なにこの紙切れ……)
上履きの中に付箋のような物が入っている。そこに書いてある文字に目を走らせて、あたしは一瞬にして真っ青になった。
【すずへ。オレの靴だから? それとも単なるニオイフェチ? ↓↓↓】
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