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跳び上がって詰め寄ると、七瀬ちゃんは高い鼻をツンとそびやかして腕を組んだ。
「この私に、すず関係で知らない事があるわけないでしょ。なんか気にしてるみたいだからツッコまなかっただけよ」
ああ、七瀬ちゃんこそアッパレ。
知っててもそうやって変わらず仲良くしてくれてたんだね……あたしのようなへムタイと。
「そっかぁ、ゴムのモノならなんでも、ね。わかった、覚えとく~」
「ん、あんたなかなか大物ね、デブ山。OKよ、あんたをすずの彼氏候補として認めてあげる」
七瀬ちゃん、デブ山じゃホントに山しか被ってないよ?
「ふーん、双山本人がイイならいいけど。じゃあさ、俺もすずに代弁なんかしてもらわないで男らしく自分で言うわ」
突然蒼汰くんが何やら背筋を伸ばし、体操服で仁王立ちになってる七瀬ちゃんに向き直った。
「えーと、俺……入学式の時からずっと七瀬の事見てて……」
え? あれ? なんだかどこかで聞いたようなフレーズ……?
「いつも元気に飛び跳ねてるすずを叱ったりたしなめたり可愛がったり……そんな面倒見のいい七瀬が好きだ。俺と付き合ってください!」
ドーーーーン!!
え、じゃあ何? 蒼汰くんがいつもこっち見てたのって、あたしじゃなくて隣の七瀬ちゃん!?
朝の話があるってのは……七瀬ちゃんにあたしから気持ちを伝えて欲しかっただけ!?
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