ラバー☆ガール!

15/15
前へ
/15ページ
次へ
「フン、そんなの却下。だいたい蒼汰、あんたさっき私のすずを笑って、泣かしたわよね? その時点で私の敵に認定よ」 「えええっ!? ちょ、待ってくれよ、笑ったのは悪かったよ。すずが内緒にして欲しいなら誰にも言わないし……頼むから敵とか言わないで!」  ツーンとそっぽを向いて取り付く島もない七瀬ちゃんに、蒼汰くんが必死になって取りすがる。  それを尻目に、ブタ山くんがヒョイとあたしの顔を覗き込んだ。 「すーず。別にすぐに返事が欲しいなんて言わないから。たださ、俺の気持ちちゃんと伝えたかっただけなんだぁ。……でも、絶対ムリならそう言ってくれて構わないよ」  おっとりと、でも少し不安げに、お肉の間のつぶらな瞳が揺れている。  あたしの手元にはこの人の上履き。  遺伝子レベルでの欲求を満たしてくれる、ゴム臭強めで苦くてエグくて、あたしの芯を虜にする上履き。しかもそれをのほほんと可愛いって言って認めてくれる……。  あたしは彼の瞳から目を離さずに、小さく首を振った。 「ううん、今言う。……よろしくお願いします、こんなへムタイでよければ……」    ──そんなわけで、優しくておおらかで太っ腹な彼氏に、あたしは遺伝子レベルで夢中です♪   おしまい( *´艸`)
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加