ラバー☆ガール!

2/15
前へ
/15ページ
次へ
 あああぁぁぁ~……たまんない……。ココ、最高のポジションだわ……。  すうぅぅ~~……むはぁ…………、ぬおぉっ!? (イケない、今全身がゾワワッてした! このままじゃあたし、今にとんでもない大人になっちゃうかも……。でも……ぁふん……!) 「……ちょっと、すず。何、朝っぱらからヤバい顔してんのよ。誰かに見られたら絶対ヘンな誤解されるような」  涼やか(冷やか?)な声が背後からかかり、あたしは重ねられた大タイヤの筒の中から光速で振り返った。 「七瀬ちゃん! ……おはよ~。今日も美人だねっ」 「あくまでスルーか……。ま、別にいいけど。てかさ、一緒に登校するのに公園で待っててくれるのはいいんだけど、なんでいつもタイヤの中に入ってる訳?」  長い黒髪をサラリと後ろに払って、七瀬ちゃんは綺麗な眉をひそめる。 「いやぁ……あたし、人見知りだし、こういうちょっと隠れられる場所が落ち着くっていうか……、あっ! 待ってよ、置いてかないでー!」  あたしは女子高生にあるまじき大胆さでタイヤの筒を乗り越え、スタスタと前を行く七瀬ちゃんを追った。  七瀬ちゃんはクールビューティ、入学したばかりの高校でも既に『見つめられたら確実に五感を支配されるであろう女子NO.1』の呼び声も高い。 (それに比べてあたしは……)  チラッと今いた公園を振り返る。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加