ラバー☆ガール!

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 自然と合流して校門を入り、みんなでおしゃべりしながら昇降口に辿り着く。    ──だが、そこであたしの脳髄がビビッと震撼した。それはリア充に暗い影を落とす、目を逸らせない現実。 (ふあぅっ!! 今日はまた一段と……イイッ……!)  下駄箱から香って来る、上履きのゴムの匂い。  各種ゴム臭の中でも上履きの匂いは、世界中の大好きを集めたようにあたしの体内テンションを上げる。突き抜ける!  取りあえず自分の上履きをさりげなく手に取り、これまたさりげなく鼻の前に持ってきて……バキュームの如くゴム臭を吸い込む! (うーん……なんかあたしのは匂いが薄れてきてる……。新しいのが欲しいな……)  誤解しないでほしい。  あたしは、上履きに沁みついた人間の体臭を求めているわけじゃない。あくまでもゴム! 上履きのゴムの匂いにトロケるのだ。  決してヤバい性癖とかではない、ゴムだゴムだ、ゴムが好っきーー! (でも上履きをクンクンしてたら、どんな言い訳も成り立たない。いえ、そもそも本当にあたしはゴムだけなの……? ここまで上履きに翻弄されるのは、やっぱりゴム臭と体臭のコラボレーションが……?)
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