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「……すず、なにやってんの。私、ちょっと職員室に用があるから先に教室行ってて」
突然七瀬ちゃんに話しかけられて、あたしはピョンと跳び上がった。
「は、はいっ! わかりました、先に行ってるでするーー!」
あたしの挙動不審に慣れっこな七瀬ちゃんは、さして気にする事なく廊下を職員室に向かって歩いていく。
その足元は、真っ白で綺麗な上履き。いつもコッショリ、隙を見てクンクンしてるけど、あの上履き臭は殿堂入りだ(当社比)。
その時、ふいに肩にポンと大きな手が乗せられ、あたしは再びピョンと跳び上がった。
「すず、ちょっといいか? あの……さ、俺お前に話あるんだけど」
「え……蒼汰くん……?」
いつもの気さくでちょっと可愛い雰囲気とはまるで違う。
目の前に迫る余りにも真剣な瞳に、呼吸さえ止まってしまいそうになる。
「こんな朝、慌ただしくてごめん。でもすず、いつも七瀬と一緒で……言うチャンスがないから」
え? え? ええ!?
「俺の気持ち、ホントは気付いてるんだろ? ずっと目で追ってるもんな……俺」
「あ、あ、ああ、あの……っ! そ、それって……」
あまりにも突然、人生で五本の指に入るような大事件勃発!
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