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入学して二か月弱。まだ彼の事はよく知らない、でも……!
(……人生はじめて、告られち♪)
エヘエへと勝手にニヤけてしまうほっぺたを両手で押えた時、あたしの鼻腔を風に乗った上履き臭がくすぐった。
それはまるで、祝福の証のように甘美に強烈に。
高鳴る幸せハートにMYフェイバリットゴム臭の相乗効果、意識の遥か上空でH.R開始のチャイムが鳴ってるけどもう遅刻とかどうでもいい。
(はああぁ~……どうしよう、身体が勝手に……! ダメだよ、あたし。それは、それだけは……でも……)
フラフラと足を運んでしまったのは、ウチのクラスの下駄箱男子用。この右から三番目、上から二段目の下駄箱が……
(蒼汰くんの場所……。無防備に体育館履きが残ってる……)
我が校の指定体育館履きも、上履きに勝るとも劣らないキツめのゴム臭を誇る。
しかも目の前に鎮座するのは特別な人(になる予定)のモノなのだ。
(一回だけ……それできっと気が済む。もうH.Rも始まってるし、ココにはあたし一人だけ……)
これは何なのだろう。
まるであたしの遺伝子レベルから求めているかのような、抗えない、そして揺るぎないパッション!
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