彗星の奇蹟

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肘から先の腕が私の手に触れていた。 一体何が起きているのか理解出来ない。 肘の上が、二の腕が………無い? 闇の中から唐突に腕が生えていた。 蠢く指先が私の手を包もうと……… !!! 「ぎゃあぁぁぁぁぁ━━━━━っっっ!!!」 ようやく脳が視覚に追い付いた。 私は飛び退いてなんとも色気の無い悲鳴を挙げた。 ベッドから転がり落ちて尻餅を付く。 「……っゆ!幽霊っ!?やややややっ!!」 一緒に落ちた掛け布団を掻き抱き歯をガチガチいわせながら震える。 とんでもなく恐ろしいモノを見ている。恐ろしいのに目を反らせない。 すると停止していた腕が動き出した。 慌てたように辺りを探っている。 私はヒイヒイ言いながら後退した。 ……………………… ………ん? 金縛りとか…ないし……… なんか……可愛いかも………
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