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学校帰り、あの橋の上で僕は、手すりにもたれてぼーっと川を眺めていた。 そして、イヤホンから流れてくるのは当然大好きな『十-クルス-』の曲。 金剛(だいや)に見せて貰った『十-クルス-』の写真は、本当にここであったあの男の人にそっくりだった。 小さい画面だから似て見えるのかもって思って、拡大してみたけど余計にそっくりで……。 大好きな『十-クルス-』の曲を聴くたびにそれまでとはちょっと違うドキドキがある気がする。 大好きな子を見守る切ない歌……それまでも大好きだったけど、キュンとして、切なくて……あの人が誰かをこういう風に想ってるのかな……なんて。 僕、バカだ。 ホントにあの人が『十-クルス-』かどうかもわからないのに。 ここで今こうやって川を眺めてるのだって……。 もしかしたら、あの人にまた会えないかな……って、ちょっと思っちゃってる。 会ってどうするんだ。 『十-クルス-』ですか?って聞いて、サインでも貰う? でも、そういうのってちょっと嫌だ。 僕はファンとしてあの人に会いたいんじゃなくて……。 あれ?ファンとしてじゃないなら、どうしてあの人にまた会いたいんだろう。 ……そう、だから、あの時はありがとうございましたって、また……言いたい。 もう一回、顔を見て…言いたい。
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