3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
飛鳥なのに、「たっくん」なのは理由があるけど、また今度(笑)。
「たっくんや。あの目の前のおばあさん、危なくない?」
「あの、視覚障害者用の点字ブロックに立ってる、お年寄りか?」
「うん、そう。信号変わったら、後ろにいるやつらに押されないかね?」
「あー、気を付けとこう。軽く怪我した挙げ句、骨折したら大事だもんな」
「だよねー。あ、信号が変わる」
この間、12秒。信号が赤から青へ。
今いるところは、スクランブル交差点。車は完全に停車中。
おばあさん、歩きだしたけど、足元がおぼつかない。後ろの人は、避けて歩いてくれる良い人だった。
「たっくん、よかったねー。あのお兄さん、良い人だったよ」
「そうだな(ニッコリ)。コウもちっこいから、気を付けとこうな。今日は人が多いから、ぶつかったら危ないぞ」
「……。気を付けます……。」
ちっこいは余計だよ。でも、危ないもんね。お兄ちゃんの言うことは、聞いておかねば(笑)。
「あれ?おばあさん、あんなに足早かったっけ?」
あと数歩でボクたちとぶつかるかも?
ドンッ!!!
「きゃーっ!」
「何が起きたんだ?」
最初のコメントを投稿しよう!