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――何だこれ?
少年に向かって妙齢の美女が歩いていく――右手にナイフ、口元には笑みを浮かべている。
今、少年が美女が持つナイフに胸を突かれた。美女は溶けるように、吸い込まれるように少年の体を犯したナイフを手放して気負いのない動作で後ろに下がる。
胸を突かれた少年が崩れ落ちるようにゆっくりと地面に膝をつき、そのまま前のめりに倒れる。
その際、ドチャ、と不愉快で湿った音が鳴り、少年の背からナイフが緋に濡れてもなお鈍く輝く刃を出す。
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