予知から始まる異世界生活

第二話『世の中そんなに甘くない』

「おいおい、いつまでやってんだ？こっちは金目になりそうなモン選別し終わったぞ？」

「ああ、中々面白いんだよこいつ。啖呵切ったかと思えば訳分かんねえこと言い出すし、今なんて見てみろよ顔真っ青だぜ？」

　そうこうしてると騒がしくない方の男がこちらにやって来た。
　選別が終わったという言葉が気になり、カイトが自分の荷物の辺りを見ると――なるほど、それらは綺麗に整頓されて鞄に収まっていた。あれほどスリムな鞄を見るのも久しぶりである。

　――って、現実逃避してる場合じゃねえ！どうするどうするどうする考えろ考えろ考えろ！

　異世界ファンタジーの物語などでは良く見る簡単に切り抜けれそうな状況だが、あれは当事者がその場を圧倒するほどの力または能力を持っていることが前提である。
　しかし、カイトにはその前提条件が不足している。