第二話『世の中そんなに甘くない』

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 ――戦うはダメ、こっちが一瞬でやられる。こう…技術的な問題じゃなくて気持ちで負けるな。なら……。  実はこれならそこら辺の奴等には負けないというステータスをカイトは持っている。  それは、反射神経と持久力だ。  カイトの運動能力は平均的だ。しかし、カイトは腕力がない、おまけに握力もない。更に付け加えるなら、女子に負ける可能性すら存在したカイトの腕力と握力。  だが、それでも全体の点数だけを見たらカイトの運動能力は平均以上だった。  つまり、カイトは腕力と握力の弱点を補える力を持っているのだ。それは腕力と握力を除けば他のステータスは平均以上だということを意味する。  実際カイトは一度不良に襲われたとき、隙をついて一気に走り去ったことがある。  自慢の足。それがカイトの切り札であり、  ――このシチュエーションでの唯一の希望だ!
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