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騒ぐ男に背を向け、途中でカバンを掴み、暗く狭い細道に身を踊らせる。
何度も側面の壁に身を擦りそうになりながらもそのまま道を駆け抜ける。
――こいつらは多分裏路地を抜けてまで俺を追ってこようとはしないだろ。町に出ることが出来れば俺の勝ちだ!
数分後、疾走の甲斐あり、カイトの前方に明るい光が見えてきた。
やった、と思うのも束の間、突然その光が何かに遮られた。
何だ、とカイトが思う間もなくその正体がどんどん近づいてくる。
それは人影のようだった。
――何でこのタイミングで…!クソっ、このまま脇を通り抜けられるか…?
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